良くも悪くも巷にはFXの自動売買システムがあふれています。
そこで、これからFXを始めようとする初心者、あるいは以前から投資をやっているものの良い成果が出なくて自動売買に切り替えようと考えている投資初級者向けに、自動売買のメリットとデメリットについて考察します。
結論から申し上げますと、自動売買システムは質の良いシステムさえつかめれば、初心者や初級者にとっては非常にオススメできます。
しかし、残念ながらいくつかの落とし穴が存在するのもまた事実です。
その理由と共に、どんな点に注意して選ぶべきかやどのように自動売買システムを運用すべきかについても見ていきましょう。
FX初心者が自動売買システムを使うメリットとデメリットとは?
FX初心者が自動売買システムを使うメリット
FX初心者が自動売買システムを利用するメリットは以下の通りです。
・トレード能力にかかわらず常に一定以上の成果を得られる
・相場の心理に流されずにトレードが行える
・PCやスマホの前で張り付いて居なくても、オートで取引が可能。
FX初心者にとって一番のメリットは、たとえFX初心者であっても自動売買システムの中身がしっかりとしたものであれば、いきなり中級者以上並のトレードの腕を出せるということです。
自動売買システムはあらかじめ決められたプログラムによって機械的にトレードします。
したがって、投資初心者にありがちな理由のないエントリーが一切なくなります。
実はこの理由のないエントリーがなくなるってものすごく大きなことです。
というのも、トレードで初心者を脱するというと通常2~3年はかかるといわれています。
その理由のひとつが2つ目の理由でもある相場の心理に流されてしまうからです。
どんなにメンタル強者であっても、一晩で何十万、または何百万というお金が吹き飛べば憂鬱な気分となるものです。
もちろんそこまで大きな金額でなかったとしても、損を出せば人間はその損失を取り返そうと行動するよう行動経済学ではできています。
そんな心理状態でトレードに挑んでもうまくいかないのは自明の理でしょう。
自明の理であったとしても、誰もがやってしまうのです。
誰もがその罠を踏んでしまうのです。
なぜでしょうか?
「損を出す」ということに慣れていないからです。
投資をやらない現実世界では、相場の上下によってお金で損失を出すということはありません。
しかし、投資の世界では当たり前のように損を出します。
どんなに素晴らしい自動売買システムであろうとも、自動売買システムでは裁量トレードであったとしても、どんなプロトレーダーであったとしても損を出します。
それくらい損を出すことが当たり前の世界なのです。
しかし、大切なのは損を出さないことではありません。
トータルで勝ち続けることです。
10回トレードしたときに7回勝って3回負ければよいのです。
あるいはたとえ10回トレードして3回しか勝てず7回負けたとしても、買った金額が負けた7回の合計金額よりも大きければよいのです。
投資とはそういった世界です。
損を出すことに慣れていないからこそ、FX初心者はまず勝てないのが当たり前なのです。
たとえビギナーズラックで勝てたとしてもいずれ負けるでしょう。
しかし、自動売買システムであれば機械的にトレードを自動で行うために心理的要因が入り込む余地が無いので、損を出すことに慣れていないゆえに負けるということがなくなります。
この状態を裁量トレードで出すとなると、数年以上の慣れと実力が必要で、それはもはや初心者とは言えません。
最後に自動売買システムを利用するメリットとして、PCやスマホの前で張り付いて居なくても、オートで取引が可能、つまり不労所得化が可能なところが挙げられます。
不労所得というと、少々胡散臭くあまり好きな表現ではないのですが、完全オートでの取りひきとなるので自動売買システムを利用すると名実ともに不労な所得となります。
裁量取引には裁量取引のメリットがあります。
それは相場の状況に応じて柔軟な取引が可能であるとことです。
そして、理論値を狙うのであれば逐一相場状況を確認して利益の最大化を図る裁量取引が適しています。
しかし、働いている人間が現実的にトレードするとなると裁量取引には限界がでてきてしまいます。
仕事中ずっとスマホやパソコンの前で釘付けになっているのでしょうか?
そんなことしたら、本業の仕事に支障が出ること間違いなしです。
高額なパソコンを複数台並べて、大きなモニターを沢山用意して、高速回線と相場分析と勉強と…あらゆることを尽くして少しでも多くの利益を狙う、理論値を狙う取引を目指すのであれば裁量トレードがお勧めです。
しかし、多くの人はそうではないはずです。
もっと、現実的な選択肢をとるべきでしょう。
理論値ではなく、より確実にそれでいてそこそこの利益をコツコツ積み上げて大金を狙える期待値をとりに行くべきです。
ましてやFX初心者であるならばなおのこと理論値ではなく期待値をとりに行くべきでしょう。
裁量トレーダーであれば投資1年目はまずは脱落せず生き残っていれば合格ともいわれます。
そんな厳しい世界でいきなり理論値をとりに行こうとすればおのずと無理が生じます。
無理が生じれば、冷静なトレードができず結局負けてしまうのです。
だからこそ自動売買システムを利用して堅実に積み上げて大きく育てていくべきなのです。
FX初心者が自動売買システムを使うデメリット
FX初心者が自動売買システムを使うデメリットは以下の通りです。
・自動売買システムを稼働させるかどうかを判断するのには投資家の心理が必要。
・質の低く中身の無いようなアルゴリズムの自動売買システムも存在する。
自動売買システムは機械的にトレードするため、相場による心理の変化に流されずトレードができるのがメリットであると指摘しました。
しかしながら、完全にトレードを人間心理から引き離すことはできません。
というのも、自動売買システムをオンにするかオフにするかを決定する際には人間の心理が介在するからです。
完全にほったらかしの放置で自動売買システムを運用するのであれば問題ありません。
しかし、相場が荒れてきたりすると大きな損をするかもしれないという不安が出てきます。
その際、実はチャンスだったにもかかわらず自動売買システムを止めてしまう場合があります。
もちろんそれは逆もしかりです。
結果として自動売買システムを止めておくのが吉と出ることもあります。
どちらにせよ、自動売買システムのオンオフを決定するのには人間心理が影響します。
こればっかりは避けられません。
そして次のデメリットが最も大きなデメリットです。
世の中には様々な理由で自動売買システムを提供している人がいます。
無料で提供する者、高額で提供する者。 その中にはどうしようもないくらい質の低い自動売買システムが存在するのもまた事実です。
ハズレの自動売買システムを引いてしまえば、質の低いアルゴリズムによってトレードが展開されるためFXで稼ぐことは難しくなってしまいます。
どんなFX自動売買システムを利用すべき?自動売買システムの選び方と運用方法
FX自動売買システムの選び方ですが、言ってしまえば使ってみるまでその性能はわかりません。
しかし、それでもある程度の性能を使う前に把握する方法はあります。 それは取引履歴がきちんと公開されているものを選ぶという方法です。
きちんと取引履歴がわかる自動売買ソフトというのは、その性能が実力があり自身があるからこそ履歴を公開しています。
それもなるべくならば、日々のトレード履歴を高頻度で更新しているようなシステムだと安心して利用することができるでしょう。
最後に自動売買システムの運用方法ですが、一度決めたら最低でも半年はできれば稼働し続けたいものです。
もちろん、どうしようもない自動売買システムであればすぐに損切して稼働を停止するのもアリですが、自動売買システムの性能が良いか悪いかに限らず、相場の変化によって本来の性能を一時的に発揮できていない場合もあります。
そのためにもある程度の期間を設けてきちんと自動売買システムを評価しないと、そのシステムが本当に良いのか悪いのか?
あるいはたまたま相場が悪かっただけなのかが分かりません。
先ほども指摘した通り、トレードをする以上、負けることは避けられません。
肝心なのはトータルで勝つことです。 だからこそ、1週間やってうまくいかなかったらといってすぐにやめてしまうのであればどんなに優れた自動売買システムであっても、たまたま状況の悪い相場に出くわしてしまえばトータルで勝つことはほぼ不可能となってしまいます。
ですので、一度自分が使う自動売買システムを決めたのであればできれば半年以上の、一定期間は最低限短期的な勝ち負けにかかわらずつけておくことをオススメします。
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