最も有名なインジケータ-といえば移動平均線ですが、移動平均線にも負けないくらい人気があるインジケーターがMACDです
米国のジェラルド・アペルが考案したインジケーターでマックディーと読みます。
その大きな特徴はトレンド系とオシレーター系の特徴を一つのインジケーターで利用することができることです。
非常に人気のあるインジケーターですが、はたして自分の使う道具について定義からきちんと把握して使っているでしょうか?仕組みを理解して利用できているでしょうか?
投資の世界は自己責任です。
自分の使っている道具をきちんと理解していず、単にインジケーターの売買タイミングが来たからといって無条件に取引して負けてもだれも責任は取ってくれません。
そして、この世には完全無欠で万能のインジケーター、すなわち聖杯は存在しません。
当然MACDにもダマシは存在します。
だからこそ、MACDについてもきちんと定義から見方まできちんと理解しておく必要があります。
MACDとはなにか?
移動平均線の定義
MACDとはMoving Average Convergence Divergenceの略で、日本語では指数平滑移動平均収束発散法と呼びます。
移動平均と出ているように、MACDは移動平均線を利用したインジケーターです。
そして、名前の収束・発散とは相場では何を意味しているでしょうか?
この収束・発散とは2本の移動平均線が近づいている(収束)、離れている(発散)ということを示しています。
そのため、MACDを本当に理解するには移動平均線を理解することは必須です。
ここではまず簡単に移動平均線について復習します。
移動平均線とはトレンド系のインジケーターで、現状のトレンド状況を見るインジケーターです。
移動平均線とは、ある一定期間N日(自分で設定可能)における終値の平均値を表し、それをつなぎ合わせて線状のグラフにしたものです。
MACDでは単純移動平均線の派生形である指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average,EMA)を利用します。
指数平滑移動平均線は直近の終値のみ2倍にして計算します。
そして、直近の終値の身を2倍にしたためこのままでは移動平均にずれが生じます。
移動平均を調整するために最終的に(n+1)日で割り移動平均を求めます。
EMA=(D1+D2+D3+D4+…+Dn-1+DN×2)/(N+1)
N…自分で設定した期間の日数 DN…N日目の終値
MACDの定義
いよいよMACDの定義についてみていきます。
MACDとはMoving Average Convergence Divergenceの略で、日本語では指数平滑移動平均収束発散法と呼びます。
移動平均と出ているように、MACDは移動平均線を利用したインジケーターです。
このインジケーターは2つからなり、1つは12日指数平滑移動平均線(12日EMA)から26日指数平滑移動平均線(26日EMA)を引いだものでMACDと呼びます。
MACD=12EMAー26EMA
もう一つはシグナル線と呼ばれていて、このシグナル線は上記のMACDの単純移動平均線(Simple Moving Average,SMA)でできています。
一般的には9日間における単純移動平均線を用います。
シグナル線=9日SMA
MACDの見方
MACDの特徴はトレンド系とオシレーター系のインジケーターの両方の機能を持つことです。
トレンド系は現状のトレンドがどのようになっているのかを、オシレーター系は買われ過ぎや売られ過ぎといった売買タイミングを示します。
トレンド判断
MACDでトレンドの判断をする際は0ラインを中心にしてみて、0ラインよりも上にあるか下にあるか、上向きかした向きかでトレンドを判断します。
0ラインよりもMACDが上にあれば上昇トレンド、下にあれば下降トレンドです。
この理由はMACDが2つのEMAからできていることに由来しています。
MACDが0ラインよりも上にあるというのは、MACD>0ということになります。 MACD = 12EMA – 26EMA > 0
12 EMA > 26EMA
つまり、MACDが0ラインよりも上にあるという状況は12EMA > 26 EMA、すなわちMACDの元となる短期の移動平均線が長期の移動平均線よりも上にある状況を意味します。
短期の移動平均線が長期の移動平均線よりも上にある状況というのは、短期トレンドが長期トレンドを上回っている状況で、すなわち上昇トレンドということになります。
ローソク足でみても上昇トレンドになっていることがわかるでしょう。
ですから、MACDが0ラインよりも上に位置しているときは上昇トレンドといえるのです。
同じようにして0ラインよりもMACDが下に位置していれば(MACD < 0)、下降トレンド(12 EMA < 26 EMA)ということになります。
その他ではトレンドが形成され始めの序盤および中盤では、12 EMA >> 26EMA となるためMACDが拡大していきます。
MACDが大きくなっている間はトレンドが続いているというサインになります。
一方、トレンドが終わったりレンジ相場になるとMACDは横ばいになったり0に近づきます。
売買タイミング
見方売買タイミングの基本はシグナル線とMACDの関係が示します。
シグナル線は通常では9日の単純移動平均線を利用します。
このシグナル線が上記のMACDとどのようにクロスしているか、あるいは0ラインとMACDとの関係で基本的な売買タイミングを計ります。
基本的な売買タイミングは以下の通りです。
・MACDがシグナル線を下から上にクロスしたとき、あるいはMACDが0ラインの上に抜けたときが買いの売買タイミング
・MACDがシグナル線を上から下にクロスしたとき、あるいはMACDが0ラインの下に抜けたときが売りの売買タイミング
※0ライン付近での売買はレンジ相場やトレンドが終了した方向感のない相場でダマシが多いので注意
単純な売買タイミングは上記の通りですが、実際に使う際はトレンド判断と併用して使います。
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