有名なオシレーターのインジケーターとしてRSIの他にストキャスティクスがよくあげられます。
ストキャスティクスは米国のジョージ・レーンが考案したテクニカル分析手法でRSIと同様に買われ過ぎ、売られ過ぎを判断するものです。
ストキャスティクスとは
ストキャスティクス(Stochastics)はRSIと同様にオシレーター系の有名なテクニカル分析手法です。
RSIは値幅の大きさを、移動平均乖離率は移動平均線とローソク足の乖離率から買われ過ぎや売られ過ぎを判断しましたが、ストキャスティクスでは過去の最高値や最安値に対して現在の終値がどこに位置しているかで買われ過ぎや売られ過ぎを判断します。
具体的には%K、%D、%SDという3つの指数を最高値、最安値、現在の終値から導き出します。
%K、%D、%SDの求め方は以下の通りです。
%K=(C-LX/HX-LX)×100(%)
※C:直近の終値 LX:X日間の最安値 HX:X日間の最高値
Xはおもに5日、9日、14日が使われる
%D=(HY/LY)×100(%)
※HY:(C-LX)のY日間の合計 LY:(HX-LX)のY日間の合計
Yは主に3日が使われる
%SD=%DのZ日移動平均線
Zは主に3日が使われる
数式だけではいまいち何をしてるのかがわかりにくいですが、この%K、%D、%SDは一体何を意味しているのでしょうか?
%Kは一定期間の最高値と最安値の間のどの位置に現在の終値が位置しているのかを表しています。
%Dは期間中の%Kを平均したもの、つまり%Kの単純移動平均線なので%Kよりも少し遅れた挙動を示します。
%SDは%Dの単純移動平均線で、%Kを平均した移動平均線の移動平均線なので%Dよりもさらに遅れた挙動を示します。
ストキャスティクスの見方
ストキャスティクスの売買タイミング
具体的な売買タイミングは以下の通りです。
・%Kが80%以上で買われ過ぎで売り、20%以下で売られ過ぎで買いのタイミング
・%Kが%Dを上に抜いてゴールデンクロスしたら買い、下に抜けてデッドクロスしたら売りの売買タイミング
・%Dが%SDを上に抜いてゴールデンクロスしたら買い、下に抜いてデッドクロスしたら売りの売買タイミング
RSIでは通常70%以上で買われすぎ、30%以下で売られ過ぎと判断しますが、ストキャスティクスでは80%以上で買われ過ぎ、20%以下で売られ過ぎと判断します。
RSIと同様に70%以上で買われすぎ、30%以下で売られ過ぎと判断するとダマシにあう確率が上がるため、ストキャスティクスではさらに範囲を絞った方が良いです。
%Kが%Dをゴールデンクロスしたら買い、デッドクロスしたら売りの売買タイミングとなります。
この%Kと%Dの組み合わせをファーストストキャスティクスといいます。
また%Dが%SDをゴールデンクロスしたら買い、デッドクロスしたら売りの売買タイミングとなります。
この%Dと%SDの組み合わせをスローストキャスティクスといいます。
%SDは%Dの単純移動平均線で、%Dは%Kの単純移動平均線であるため、スローストキャスティクスはファーストストキャスティクスに比べて緩やかに動きます。
そのため、スローストキャスティクスの方がダマシが少なく、逆にファーストストキャスティクスの方が早く動くためダマシが多い傾向にあります。
ストキャスティクスの弱点
全てのオシレーター系のインジケーターに言えることですが、逆張り手法であるため強いトレンドが形成されているときなどを苦手としています。
トレンドが形成されているときはトレンドに順張りする方がトレードとしての優位性が高く、ストキャスティクスを参考にして売買タイミングを決めるのはおすすめできません。
逆にストキャスティクスが得意とするのはボックス相場等のレンジ相場です。
トレンド系のインジケーターは方向感のない相場が弱点で、逆にオシレーター系のインジケーターは方向感のない相場を得意とします。
従って、実際にトレードをする際はトレンド系のインジケーターとオシレーター系のインジケーターを併用して使うのが定石です。
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