ダウ理論とは?FXで通用するのか?

FXに限らず、株や先物などの短期売買の世界で、勝つために必要な基礎的理論としてダウ理論があげられます。

何事も基礎が非常に大切であるように、トレードの世界でもダウ理論は非常に大切です。

しかしダウ理論すらも理解せずにFXをはじめとすると短期売買を始める人は非常に多いです。

またダウ理論という言葉を聞いたことがあっても具体的に何を指しているのかいまいち理解できてない人も多いでしょう。

そこで今回は具体的にダウ理論が何を指すのか、そしてFXではどのように扱っていくべきかについて見ていきます。

ダウ理論が生まれた背景とFXへの応用

ダウ理論はチャールズヘンリーダウ氏が作った理論で、エドワードジョーンズとチャールズバーグストレッサーとともにダウジョーンズ社を設立しました。

ダウジョーンズ社はウォールストリートジャーナルやダウ工業平均などを作りました。

その背景にはアメリカのゴールドラッシュがあります。

ゴールドラッシュの影響で鉄道が非常に活況となっていました。

景気が良ければ工業株や鉄道株が上がり、景気が悪ければ反対に下がったことから、景気循環を把握するためにダウ工業平均とダウ鉄道平均が作られました。

現在は鉄道平均は利用されませんが、ダウ工業平均は様々なところで利用されるものとなっています。

ダウ理論が非常に重要視されているのは、様々なテクニカル分析の元となったものがダウ理論であるからです。

FXは投機であるので、テクニカルを使うことが大前提となっています。

そのため、FXでもダウ理論が非常に重宝されています。

もともとダウ理論は株式の取引で利用されていたものとして生まれたため、中にはFXで直接使えないものもあります。

しかしダウ理論の考え方としてはFXでも同じように使うことはできます。

ダウ理論とは具体的に何か?

マーケットは全ての事象を織り込む

これはこれはテクニカル分析においても同じことが言えます。

最も大きな相場変動の要因は需要と供給の関係にあります。

その需要と供給に影響を与えるものの全ての要因はマーケットに反映されます。

あらゆる天災や戦争、政治なども全てマーケットが折り込みます。

なぜならば、そのような事象が起きればすぐに投資家が売買を始め相場に織り込まれるからです。

特に昨今は地球の裏側で起きたことですらインターネットによって瞬時にわかってしまいます。

したがって以前にも増してマーケットはすぐに全ての事象を織り込もうとするでしょう。

これはダウ理論における最も基礎的な考え方であり、この考え方が後にテクニカル分析に多大な影響を与えます。

その証拠にテクニカル分析の大前提として、マーケットは全ての事象を織り込むということがいえます。

あらゆるテクニカル分析の元となったという意味でダウ理論が非常に重要視されているのです。

トレンドには3種類ある

トレンドには3種類存在します。

具体的には主要トレンド、二次的トレンド、小トレンドの三つです。

このうち最も重要なトレンドが主要トレンドです。

主要トレンドは1年から数年かけて継続します。

この主要トレンドがマーケットの主な方向性を決定していきます。

二次トレンドは主要トレンドの調整局面であり、3週間から3ヶ月程度継続していきます。

一般に、全体のトレンドの1/3から2/3程度戻ります。 小トレンドは二次的トレンドの短期的な調整であり、3週間未満の期間となります。

主要トレンドは3段階で成り立つ

前項より主要トレンドが非常に重要になってくることがわかりますが、この主要トレンドには3段階から成り立っています。

  • 第一段階 先行型の投資家による買い
  • 第二段階 トレンドフォローの投資家による買い
  • 第三段階 一般投資家による買いと第一段階、第二段階で投資した投資家の売り

第一段階で一般投資家が買うのは至難の業です。

ここで買っていくのは業界のことをよく知っていて、まだ発表されていないことなどもよく知っている人でしょう。

そういう人は自分の持つ情報を武器にトレンドに関係なく買っていきます。

第一段階で買われた後に来るトレンドが第二段階のトレンドフォローの投資家による買いです。

一般的なテクニカル分析の手法はこの第二段階の早期で買いを入れるものがほとんどです。

トレンドが出来上がってすぐに順張りをすることでトレンドの波に乗ることができます。

最後に第三段階で一般投資家が買っていきます。

この段階では雑誌やニュースなどで報道され、素人投資家による需要が増えてきます。

一方第一段階や第二段階で買っていった投資家は出口戦略としてこの段階で売っていき利益を出していきます。

一般投資家が高値掴みをされてしまうのはこのような理由が背景にあるのです。

平均は相互に確認されなければならない

チャート上でトレンドができつつあっても、ダウ工業平均で同じシグナルを示さない限りトレンドであると断定はできません。

仮にシグナルが出たとしても、ダウ工業平均にも同じようにトレンドができていなければそれはトレンドであるとは限らないからです。

原文ではダウ工業平均と鉄道平均の両方について言及されていますが、現在では鉄道平均は利用されていません。

その理由として当時はアメリカではゴールドラッシュがあり、その当時の重要な指標として鉄道平均が利用されていたからです。

知っての通り現在はアメリカでは鉄道は主な移動手段ではなく、車となっています。

従って現在ではダウ工業平均とチャートの比較をすべきでしょう。

これはトレンドであるかどうかを見る考えかたであり、必ずしもダウ工業平均でなくてはならないというわけではありません。

ダウ理論が生まれた背景が株式投資でありますが、FXで使うのであればダウ工業平均でなくてはならないというわけではなく、ある程度相関関係のある複数のチャートで確認できるかどうかといった使い方もできます。

相関性のある複数のチャートが同じトレンドを示しているのであれば、それが確実にトレンドである可能性が高いといるでしょう。

トレンドは出来高でも確認されなければならない

もう一つの重要なシグナルとして、トレンドは出来高でも確認されなくてはなりません。

一般にトレンドができ始めると出来高が高くなります。

これは当然な話でそれまで続いていた流れに逆らって新たな動きができるため、必然的に出来高が高くなります。

逆に出来高は低いがトレンドのように見えるものは、市場参加者が低く少数の投資家が一気にたくさん買ったことで市場に影響を及ぼしたということが考えられます。

これは多くの人が買い始めたというトレンドのサインではありません。

トレンドのサインのであるならば、多くの人が買い始めます。

誰もがトレンドに乗りたいと思っているからです。 したがって必然的に出来高は高くなっていきます。

ただし、FXにおいては出来高が存在しないということを理解しておく必要があります。

なぜならFXは取引所が存在しないからです。

株式市場であればニューヨーク証券取引所や東京証券取引所などの取引所が存在するの出来高を確認することができます。

しかしFXであればインターバンク市場に直接流すNDD方式と流さないDD方式があり、直接取引所があるわけではないです。

したがってFX会社によってもチャートの状況は変わってきます。

従ってMT4などで出来高ツールを使うことで擬似的にある程度出来高を確認するという使い方になるでしょう。

ただしMT4の出来高ツールは実際の出来高とは異なります。

どのくらいの人が取引をしているのか?を表示しているのにすぎません。

従ってあくまでも参考程度とするのが良いでしょう

トレンドは明確な反転シグナルが出るまで継続する

これもテクニカル的な考え方の根底にあるものです。

トレンドは明確な反転シグナルまでが出るまで継続するため、トレンドフォローが優位性が高いトレードといえます。

従ってトレードの基本は順張り投資だと言えます。

これもあらゆるテクニカル分析に利用されているので、ダウ理論が非常に重要とされる理由の一つでもあります。

FXでダウ理論は有効なのか?

株式投資よりFXの方がダウ理論を有効に扱える

FXでは株式市場より投機筋の勢力が大きく入っています。

投機筋とはすなわちテクニカルのことを指します。

そしてテクニカルの元となったものがダウ理論です。

実際に株式市場ではテクニカルに関係なくファンダメンタルで投資する人もいます。

そういう意味でFXではダウ理論を活かしやすいと言えるでしょう。

ダウ理論は万能ではない

とはいえ、ダウ理論は万能なものではありません。

実際の相場を見てみれば分かりますが、マーケットはダウ理論通りに必ず動くわけではありません。

そもそも万能な聖杯というものは存在しません。

どんな手法や理論であったとしても、必ずうまくいかない局面が存在します。

さらに言えばダウ理論は元々株式投資で生み出されたもので、例えばFXには出来高がなかったりするなど完全に利用できるものではありません。

あくまでも考え方の参考にする、という程度にした方が良いでしょう。

とはいえ多くの人がダウ理論を利用してFXを使っていることもまた事実ですのでFXでダウ理論が有効であるのも間違いありません。

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